2018 Project Photo Exhibition Ⅲ ソウルを見つめる2人の眼差し / Seoul Vagabond / 서울을 바라 보는 두 사람의 눈빛
©鄭 赫鎭 「境界」
©表 現俊「漢江で出会った人達」
Exhibition
2018 Project Photo Exhibition Ⅲ
ソウルを見つめる2人の眼差し / Seoul Vagabond / 서울을 바라 보는 두 사람의 눈빛
2018.11.3 sat- 11.11sun(11.5 monは休廊)
13:00〜18:00
gallery0369企画展2018年度3回目は韓国ソウル市在住の写真家 鄭 赫鎭 (Jung,Hyuk-Jin:ジョン・ヒョクジン)さんと 表 現俊(Sean Pyo:ピョ・ヒョンジュン)さん2人の写真展「ソウルを見つめる2人の眼差し / Seoul Vagabond / 서울을 바라 보는 두 사람의 눈빛」(展示コーディネーター 松井 剛、富山県在住)を開催致します。今回の写真展はgallery0369初の海外写真家の作品展になります。今回の展示はコーディネーター松井剛さんからおよそ1年ほど前からの企画提案、gallery0369との交換展示の第1弾として実現する運びとなりました。
開催期間/2018.11.3 (sat)〜11.11(sun) 開館時間 /13:00〜18:00(開催終了時間が変更となりました) 作家在廊日ー11.3 (sat) 、期間中11.5 (mon) は休廊
Seoul在住2人の写真家について
鄭君、表君共に日常的には会社員をやりながら、二十代後半から写真をやっていることになります。共にソウルっ子でありながら、写真を模索する過程でソウルを撮っているので、地元の民でありながらも、ソウルの放浪者(ソウルバガボンド=Seoul Vagabond)という意図でタイトル提示しました。ソウル・ナグネ(ソウルの旅人)が本来考えていた題ですが、ナグネは日本人には聞きなじみない言葉故、バガボンドにした次第です。
鄭君は以前に東海岸の作がありまして、こちらは漁村が被写体でしたが、今作はソウルが被写体であり、ソウル近郊に数ある丘(コゲ)を舞台に丘陵地域故開発から遅れる低層住宅地帯を捉えたものです。周囲は平地化されて高層住宅化するなかで、その境界線的な映像ということになります。鄭君はリアリストではあるが、貧富の格差を社会告発するという観点ではなく、本人もソウル生まれ(近郊に移住したが)であるがゆえに、敢えて批判的に見るのではなく、現況を淡々と直視するリアリストの目を持って臨んでいるのだといえるでしょう。 表君も高校生を見る目は非常にやさしいものを持っています。十年前に弘大・院の写真コース時代の卒業制作として始めたシリーズで、ソウルを南北に分ける象徴的な存在の漢江をソウルにおける上流から下流までを沿っていきながら撮影したものです。 被写体は若者だけでなく、中年層の人の作もあります。かつては上流は一次産業従事者(農業)下流は工場等のブルーワーカー(労働者階級)、中流はサラリーマン、といった分け方が為されたかもしれないが、表君世代になると上流から下流までは平均的なソウル市民に移行している時代性が読み取れると思います。また橋口譲二さんの若者(17歳)に絞って撮影した作品はかなり若者を凝視している感じがしますが、表君は人がメインだろうか?川だろうか?と惑わせるほど柔らかな視線で捉えているのがわかるでしょう。
鄭、表両君の70年代半ばの生まれだからこそにじみ出るソウルの現況(十年前からの作品ですが)を感じ取ってもらいたいです。また表君はこの展示に際して、現在の漢江シリーズも加える予定でこちらは、かなり演出意図が加味した、洗練性(或いは商業性が付加されて作為性が嫌味にも受け取れるかもしれない)が上がった作品となっています。
両者ともに試行錯誤を重ねていった若い日々のソウルのさまよい人を感じて欲しいのです。
松井 剛(Matsui Tsuyosi)/ 展示・企画コーディネーター
作家プロフィール
鄭 赫鎭(Jung,Hyuk-Jin:ジョン・ヒョクジン) ’76 ソウル生まれの会社員 ’00 写真入門 ’02 本格的に写真活動を開始 ’04 弘益大学前で友人らと自主写真サークル「フォトファクトリー」 を立ち上げる ’02~09 一山(イルサン)写真クラブ団体展参加 ’06~08 韓国東海岸7番国道撮影 ’09 江原道東海の漁村と犬を題材とした「マインドスケープ」 シリーズでソウル文来洞「geo nal」のこけら落とし企画展「文 来洞ー新宿」に参加 ’07~11 ソウル小路(コルモック)撮影 ’08 韓日ポートフォリオ交流展参加
京畿道高陽市在住
表 現俊(Sean Pyo:ピョ・ヒョンジュン) ’74 ソウル生まれの会社員、フォトグラファー、 エッセイスト 、
’08 弘益大学大学院写真専攻卒 在学以前から活動を始める ’06 米・Soaphoto Proffessional Gallery ’07~09 ソウル カナアートスペース展示、グループ展多数 ’09 ソウル国際プリントフォトアート展示(芸術の殿堂ハンガラム美術館) ’11 ソウル 「オー!ハッピーデー」文化体育部招待展展示。
松井 剛(Matsui Tsuyosi)展示・企画コーディネーター
’63富山県魚津市生まれ、 ’87 大阪芸大・映像計画学科卒 ’89 佛教大・(文)博物館学芸員課程修了 ’00 韓国ソウル・弘益大・産業美術大学院(写真デザイン)修了
ソウルフォトビエンナーレ企画参与・大邱フォトビエンナーレ台湾代表団サポート(’08) 在日韓米軍の問題に関するシンポ及び写真展の発起人・ソウル「文来洞ー新宿」写真展企画・弘益大・院(作家論)講師等
関連イベントのご案内(終了しています)
11.3(sat) 16:00〜 galleryトーク「2人の韓国写真家が見つめてきたソウル」/写真家 鄭 赫鎭 、表 現俊、コーディネーター松井剛 (約60分予定)を写真展開催初日に行います。今回のコーディネーター役、松井剛が通訳を兼ねて2人の写真家のソウルという街との関わりや写真制作プロセスなどについて展示作品の解説やプロジェクターによる画像投影を交えながらお二人から聞いて行きます。参加費¥1,000(お茶付き) ※予約不要ですが可能でしたらメールアドレス info@matsubara-yutaka.com までご連絡いただけると助かります。
11.3(sat)gallery閉廊後懇親会の開催を予定しております。(参加費あり)