2023年冬企画展寺本美穂写真展「たゆむまち」
2023年冬の企画展は寺本美穂写真展「たゆむまち」を昨年に続いて第3回目として開催します。寺本さんは三重県在住の写真家。写真好学研究所研究生。近年は亀山トリエンナーレへの出展など外部に作品を見せていくことも徐々に増えています。主に三重県津市の在住地の近所で撮影されている寺本さんの写真は見慣れたまちの中で撮影されている光景が多く、それらの写真の多くは何かのんびりとしていて、例えば「ぴーんと張った糸が少し緩んだような」そんな感じ、印象を受け止めさせてくれる写真達です。寺本さんにとってgallery0369での3回目の写真展となります。寺本さんが2013年頃から撮影を開始、その後さまざまな試行錯誤を繰り返してきた写真シリーズを是非御覧いただければと思います。
開催期間中の12月2日(土)の14時〜15時にgalleryトーク開催予定。(投げ銭スタイル)
開催期間中にドーナツカフェ開催予定。詳細情報は内容決定次第web等でお知らせさせていただきます。
展示情報 タイトル:寺本美穂写真展 たゆむまち
開催日時:2023年12月1日(金)~3日(日)、12月8日(金)~10日(日)計6日間の開催になります。(金土日のみの開催となりますので来場の際はご注意下さい)
開催時間:13時〜18時
入場:無料
駐車場:会期中は Théâtre de Bellevilleの駐車場 (三重県津市美里町三郷2104)をご利用ください。
作者在廊:写真展開催時全日在廊予定
展示作品: インクジェットカラープリント作品
会期中関連イベント:ギャラリートーク 「たゆむまち」展示作品について/寺本美穂(写真家・写真好学研究所研究生)×松原豊(写真好学研究所所長・gallery0369オーナー)
開催日時:2023年12月2日(土)14時〜15時
参加費:投げ銭スタイル(会場内でポストカードなど何か一品購入していただけると嬉しいです)
参加方法:参加希望の方は直接gallery0369に来場ください
寺本美穂 3回目のたゆむまちに添えて
「森にはいる」
今年も暑い夏だった。
家にいても、仕事に行っても。森の中でもやっぱり暑い。
緑は目に涼しい感じもするが、住宅街のすぐ近くの森では
そう違いは感じられない。ちょっと蚊が多いくらい。
写真を撮ろうと思って来てみた。
日没近いこんな時間なのでさっきまで虫取りしていた親子も帰ってしまった。
図書館やスーパーマーケットに近い場所ではあるけれど
なんだか心細い。
倒れた木からは新しい植物の芽が育っている。
名前のわからない木の枝には小さな実がずらりと並んでかわいい。
だけど思うように上手に撮れない。
もう少し粘ってみよう。
私は薄暗い場所にある気味の悪い木の幹に惹かれた。
シャッターを切る。
近づいたり離れたり何度も切る。
最初からこんな風だったのか?
複数本の木がくねくねしながら1本の幹になったのか?
見れば見るほど、考えれば考えるほど不気味。
なんだか急に怖くなってきてその森から早足で出てきた。
Tシャツは汗びっしょりで水筒の水を飲んでいると
目の前にお馴染みのカーブミラーが。
おかえり
と笑いながら迎えてくれたような気がして心の底からほっとした。
この森の中には(たゆむまち)はなかったみたいです。
2023.10.5
寺本美穂